「感情をコントロールしよう」
牧師 今井直喜
ついカッとなって、言わなくてもいいことまで言ってしまう。そのために、相手を傷つけてしまう。或いは、怒りで我を忘れて、手が出てしまう。このように、感情の波に押し流されてしまい、あとで後悔することはよくあることです。そして、世の中の多くの悲劇もこの感情をうまく処理できないところから発生しています。
かつて、私が幹部自衛官であったころ、上司から「指揮官はどんな不測の事態が起こっても、取り乱したりせず、感情をコントロールし、冷静に判断し、任務を遂行しなくてはならない」と教えられました。この言葉を真に受けた私は、何があっても取り乱さず、感情を表に出さず、平気な顔をしようと日々努力しました。そのかいもあって、何があってもたいていのことは動じなくなりました。が、一方で、周りの人に何を考えているのかわからないとか、喜んでいるのかどうかわからないなど苦情が出てきました。
感情をコントロールするとは、感情を抑え込んだり、何も感じなくなったりすることではありません。その感情の発露をコントロールすることなのです。偉大な作品や傑作と呼ばれるものが、作者のつらい経験や悲しい出来事がもとに誕生することはよくあることです。誰かから厳しいことを言われて、そのときは怒りの感情があふれたが、その言葉があったから、見返してやると今までがんばることができた。今では感謝しているという話もよく聞きます。
聖書にこんな言葉があります。
「どのようにして、若者は/歩む道を清めるべきでしょうか。あなたの御言葉どおりに道を保つことです。」
大雨が降って、川が増水してから、堤防を作る人はいません。晴天の日に川の道筋をあらかじめ定めて、大水がやってきても適切な場所へ流れるようにしておきます。私たちも感情をどのように流すのか、あらかじめ備えておくことが必要です。聖書の言葉でしっかりと道筋をつけておきましょう。そうするならば、感情に押し流されて失敗することなく、そればかりか、そのエネルギーを十分活用することができるでしょう。
日常のちょっとしたことを、どのように処理していくかが、非日常のときの行動につながります。日々聖書の言葉を行うことを習慣としましょう。


