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中国のキリスト教関連の報道で時々眼をひくのが、露骨な政府による信仰統制に関するもの。今の中国には、神の上に国家を置くことを承諾した国家公認の「三自愛教会」と、そういう国家の統制を拒否し、それぞれの家でひっそりと礼拝を守り続ける非合法の「地下」教会というか「家の教会」があるが、最近この「地下」教会に集うものたちへの露骨な弾圧、三自愛教会への参加圧力がが高まっているという。 これとはやや趣を異にはするが、7月末には、今度は中国東北部の吉林省の延安朝鮮族自治州などで北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)から中国に逃れてきた難民に対する一世取締りがさらに強化され、これまでで最も厳しい取り締まりになったという報道もあった。 先日、北からの難民の間では、教会に行けば何とかなるという話が広まっているということを聞いたばかりであるが、延安朝鮮族自治州の教会関係者によれば、6月末から9月末までの予定で、難民を捜すために地元住民の家を警官がしらみつぶしに捜索をしている都市もあるということだ。 仮に「地下」教会信徒で、難民をかくまっている人が検挙されたらどういうことになるのか、想像するだに恐ろしいが、そんな中国での伝道に情熱を傾けている兄弟が、京都中央チャペルにいる。これからの彼の活動に支障をきたすことがあってはならないので、ここではA兄と呼ぶことにする。以下は、そのA兄にうかがったお話を要約したものである。 |
| 「いや、私のしていることなどたいしたことではありません。」そうA兄は切り出した。 私は20世紀の本当に最後の月に中国に行きました。それは、戦争の世紀と言われる20世紀もいよいよ終わろうとしている、日本も色々言われているが、私が生きてきた半世紀、ま、私は56歳ですが、それは私達が戦争をしていたわけでも、私達が弾圧を受けていたわけでもない、試練でも何でもない年代であったわけです。そういう時代に生きてきて、今度21世紀になるに際し、教会員として、クリスチャンとして何か、自分の信仰を表すことをしておきたかったということでしょうか。私には、日本人としてアジアの国々の人々、とりわけ隣国の人々に対する重荷がありました。その重荷を持ちながら、何か自分の信仰を表す道を求めていましたら、神様のあわれみで、中国にいく環境が次々と整えられていきました。 今、中国にはものすごい数の信者がいます。有名なハドソン・テーラーさんなどが熱心に宣教されてきた、その成果と申しますか、多分今、2000万人くらいの信者がいます。そういう大勢の信者のいるキリスト教ですが、50年前の革命で非合法化されてしまった。そういう苦難の歴史があって弾圧されてしまい、今中国のキリスト教は、ま、「祝福の時」というのですかね、試練の時こそ祝福は与えられると申しますから、ま、ひどい試練の時代となり、完全に地下組織になっています。 一方には「三自愛教会」という公認教会がありますが、こちらは戦時下の日本のキリスト教界のように完全に国家の統制下にあり、神の上に国家があるような、キリスト教としてはあり得ないような形になっている。こちらは、国家統制の下にあるので布教活動なんかもできるのですが、キリスト教本来の信仰を保持し、国家統制の下に入ることを拒む者達は完全に非合法組織として地下に潜っている。 検挙された場合は、昔はすぐにしょっ引かれて、収容所に入れられたが、今は中国も穏やかになり始め、警備そのものが州により異なるようになっている。大連のある遼寧省では、あまり目に見える弾圧は目立たない。でもそれは皆が分を守って、地下組織で動いているからのこと。本当の地下組織なのですね。 私は、昨年12月に、この人達がやっていらっしゃる教会を2つ訪問しました。それは、今、大連で宣教活動をしていらっしゃるC先生のお供をして、B兄姉に連れていっていただいたのです。 コト先生がC先生をご存知であったので、私がかねてから言っておりましたら、コト先生が何回かコンタクトをとっていただき、C先生がこの日大連に来られるというのを教えていただいたので、出かけていったのです。 C先生のお供をして、B兄姉のご案内で訪ねてきましたら、そこは完全に中国の一般の民家でした。そこで中国の人たちが、寺子屋のような感じで質疑応答をしている、教会というか、家庭集会でした。中国の一般民衆の平均的な家で、入る前に、日本語は話さないようにしてくれと警告を受けました。それは日本語を話す者が訪ねてきたという噂が広まると、警察の手入れを受けることにもなりかねないからですが、実はその時中国語を話せないのは私一人でした。それで、証も何もできませんでしたし、また聞くこともできませんでした。 このグループのリーダーは、実は大連では名の知られた人。かつては公の舞台で華々しい活躍をしていたのですが、クリスチャンであることがばれて、職を失ったという方でした。彼の場合、共働きなのですが、奥さんが弾圧する。あなたの信仰のおかげで生活が苦しくなったじゃないといって。そういうことがあってもなお、がんばってらっしゃる兄弟であった。 その集会には10人ちょっとのご年配の方々が集まってらっしゃった。日本の教会とは異なる力強さを感じさせられました。日本の教会の場合、サンデー・モーニング・クリスチャンというようなことでも何ら問題はない。がこの方々は、隠れ蓑で身を覆いながら、密かに信仰を貫いていらっしゃる。まさに生きること、生活していることがそのまま信仰の証と言える。ちょっと言葉では言い表しがたい迫力を感じさせられました。 その後、もう一箇所訪れました。こちらは、中国ではお金持ちと言われる人がやっておられる集会だった。ここはB兄そしてC先生とご一緒に3人で訪問しました。ここも10人くらいの人がいました。こちらは礼拝は終わっていたのですが、コーラを飲みながら、お交わりさせていただいたのですが、とてもきれいな家でした。こちらの集会では、なぜか日本語を使うことも許されましたので、このグループの方の証も聞くことができました。 一回目の訪中は、こんなことでした。これはこれで稔りもあったのですが、自分としては、もっと中国の方々と接点をもった集会というか教会に行きたかったのです。日本人もいるけれど、中国人もいるようなそういう教会に行きたかった。それで、年が明けてからB兄姉のやっておられる、中国人もいて日本人もいるような集会に参加させていただきました。そんな集会で、自分としても伝道をがんばりたいと思い、その後も何回か参加させていただきました。 最近は、より自分としての働きがしやすいC先生の宣教活動のお手伝いに力を入れています。また来週も、C先生の所へ、支援物資を持って出かけることになっています。支援物資といえば大げさですが、自分がもっていくのは、たとえばハウス・バーモント・カレーの甘口だとか、ティーバッグやインスタントコーヒーなんかです。それはたとえば礼拝後の交わりの時間にホッコリとした雰囲気をかもし出す小道具ともなれば、またC先生のご家族の方々、これは本人の意思で中国くんだりで生活しているわけではないんで、特にお子さん方にお土産として、現地では手に入りにくいものをもっていってるんです。 仮に日本の方がそういう伝道活動を支援しようと思っているんだったら、お金が一番ですね。たとえば衣料品なんていうのは、現地の方がはるかに安いのです。それに日本からいろいろ持ち込むと、入国時の税関の検査などで怪しまれたりするので、ものじゃなく、現金でもっていくのが一番手っ取り早いし安全なんです。ただ、薬は、現地では手に入らないものが多いので、ものでもっていくのも一つですが、税関の検査があるので、注意を要します。なんといっても非合法活動の支援なので、そこは慎重にしなければなりません。 わざわざ中国まで行かなくたって、簡単にできる伝道の方法というのもあると思うんです。今、中国には日本語学習熱が盛んです。日本語を学んでいる人々の中には日本人との文通を望んでいる人もいるとききます。仮にそういう人との文通の中で、折に触れ、聖言を述べ伝えることをしていくというのも、立派な一つの伝道の形ではないかと思います。興味のある方は、日中ペンパルクラブに問い合わせるとよいでしょう。なお文通は、当然ですが日本語で出来ます。 (2001年9月2日) |
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