| 〜 京都中央チャペル 一信徒である僕こと芳言がそれを感じた瞬間 〜 |
| その2 |
先日のこと。聖日礼拝がはじまる前、牧師の息子と久しぶりに遊んだ。彼は、通い始めた小学校に普段もかぶって行っているのであろうか、黄色い帽子を自慢げに頭の上にのっけていた。礼拝がはじまろうとする会議室のあるフロアの柱にヒモをくくり、大胆にも縄跳びをして遊んだ。もちろん僕がヒモを持ち左右にゆらす役回りだった。嬉しそうにヒモを飛び越える姿。飛べたら嬉しそうに笑う、ひっかかって転げても、声を立てて笑う。 わずかな時間が過ぎ、礼拝がはじまろうとする。縄跳び遊びを止め、会場へと廊下を歩く。彼は、本当に廊下を転げ回る。そして、彼の母、牧師夫人の足下でごろごろと寝こっろがる。困った顔をする母親とは正反対に、すごく嬉しそうな笑顔がそこにはあった。・・・・・僕は、彼と出会うと、いつも、あの時のことを思い出す。僕が行っていた教会の会堂に付属して建てられていた建物 −管理人室と呼ばれていたが−、その二階の一室で寝ていた彼の姿を。生まれて何ヶ月だったのだろうか。本当に安らかに寝息をたて寝ている幼かった姿を、僕は思い出す。 この教会は言うまでもなく、「ヤドカリ教会」である。特定の礼拝堂を持たず、ビルの一室なりフロアーなりを借り切って礼拝を持っている。よく写真なり映画なりに登場する教会堂と称される建物で礼拝を持ってはいない。 彼は自分の産まれた隣の礼拝堂で、一体何回聖日の朝を迎えたのだろうか?僕には分からない。確かに、この教会は立派な会堂も礼拝専用の建物も無い。けれど、まだ幼さの残る彼にとっては、この場所が、例え借り物であったとしても、彼が聖日に過ごすこの場所こそが、礼拝堂なのだと。 この場所にいるのが、たまらなく嬉しい、そんな顔を見ると、なんだかこっちまでが「楽しく」礼拝に出席できそうな気がしてならなかった。 彼は、にこっと笑う。その笑顔の口元に目を移すと歯が抜けていた。どうやら、乳歯が抜け、よりしっかりした歯になり始める時期に来たようだった。僕が「歯、抜けてるねー」と言うと照れくさそうに口を閉じた。 |