1本の電話

 翌朝の土曜日、事態の成り行きを心配した方が電話を下さいました。不動産業者の方で、信頼できる方がおられるから相談なさったらどうかと。早速電話をして相談しました。すると、

 「藤林先生、この物件は、住居ということでお求めになったのですか。それとも、事務所としてお求めになったのですか。」と聞かれました。

 「もちろん、これは事務所として、です。」と答ますと、快活な声で言って下さいました。

 「じゃあ、先生。このことは何もご心配なさらないが良いですよ。大丈夫です。不動産というものは高い買い物ですから、使用目的が果たせない買い物は仲介業者にお話になれば、きちん対応してくれます。もしゴタゴタしても、協会が色々あって、申し立てをしたら、きちんと全額弁済してくれますので、大丈夫。だから、先生、安心して下さい! 大丈夫ですから。」

 天啓でした。今まで悶々としていた気持ちが、一掃され力がグングンとわき上がって来ました。

 明けて、13日の聖日礼拝で発表しました。しばらく事態の推移がどうなるか分かりません。そのただ中で「レホボト物語」を始めたのです。

 固唾を飲んで聞き入っていた一人一人が、次第に「アーメン!アーメン!」と応答し始めました。そして、みなさん、ご一緒にレホボトを目指しましょう!と叫んだ時、一同は「アーメン!!」と唱和したのです。礼拝後、兄姉の顔は輝いていました。そして口々におっしゃいます。

 「先生、勝利から、大勝利ですね。」

「レホボトが与えられます。きっとパロの心を主がかたくなにされたことと同じでしょう。」

 「先生、今日は分かった!!信仰というものが初めて分かった!大丈夫ですよ。」

 そして、いつものように、何事も無かったかのように、解散したのです。確かに、主が我々をして、レホボトへと導いて下さると確信した瞬間でした。

        レホボトなる地へ

 早速マンションの理事長に連絡をしますと、大変恐縮なさっておられました。

 時は流れ、7月末に無事原状復帰することができました。そして翌8月から本格的に探し始めました。その直後、京都福音教会に、大問題が発生しました。詳細には申し上げられないのですが、心身共にすり減らされるような状態になりました。そして、この処理に忙殺されていた9月末のこと、一本の電話が入りました。家内からです。興奮しています。

 聞くと、烏丸御池駅から徒歩2分という物件が現れたというではありませんか。驚きまして、図面を見ますと、烏丸通りに面しています。京都の一等地です。気分は乗らなかったのですが、取り敢えず行って見ることにしました。

 翌日長老と現場を見ました。RP御池の痛い経験を踏まえても、全く異存のない場所です。立地条件は、今まで見た30数件と比較しても最高です。しかも、建物自体が広告塔になるような物件は初めてです。但し、値段だけが倍になっています。この部分だけが気がかりでした。

 祈りつつ数日過ごしていた時、原状復帰することを話していた長老会で、一人の方がおっしゃった言葉を思い出したのです。

 「先生、今度は少々高くても、是非、表通りに面した場所を求めましょう。奥まった場所よりは絶対に良いですよ。入りやすいし、折角伝道のために町中でやって行くのですから。レホボトなる地は最高の立地条件になるように祈りましょう。」

 正直、話を伺っていた時には、あまりピンときませんでした。しかし、この方は「レホボト物語」を真正面から受け止め、自分なりに条件を語っておられました。ならばどうして、語った牧師がその言葉を退けることができましょうか。感謝して、「アーメン!」と応じました。

 あの時、アーメンと応じた故に、主はこのような物件を見せて下さっているではないか。他の条件はみんな満たされて、後はお金だけのことであるならば、祈ったらどうか。思い切って主に求めて見たらどうか。挑戦もしないで終わらせてはなるまいと、心が定まっていったのです。

 そして、この度、長老会、そして法人役員会を開き、入念に審議した後、銀行ローンの特約付きですが、挑戦することに決定したのです。

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